橋口くんは自信がない

僕は自分に自信がない。



小さい頃から僕の立ち位置は

いじめられっ子で固定だった。

みんなからは骸骨って呼ばれてる

誰も橋口奏太という

名前を呼んでくれない

僕がいじめられる原因はみんなが

言うには気持ち悪いかららしい。

僕が気持ち悪いのはガリガリで

ひょろひょろでいつも困った顔をして

笑わないかららしい。でも、

僕が笑えないのは

いじめられているから。

いじめられていたら笑えやしないよ。

次はきっと、次はきっとって待っていても何も変わらなかった。

僕は中学生になった時に

吹奏楽部に入った。

選んだ楽器はトランペットだった。

はじめはなかなかうまく音が鳴らなくて

とても不安だったけど、優しい先輩たちが教えてくれたから僕は安心した。

でも6月になった頃部活の先輩たちが

僕をいないもの扱いするようになった。

わからないところがあるから

聞いてみようとして声をかけたら

無視をされた。何度も、何度も。

今まで優しかった先輩が

こうなってしまったから僕は傷ついた。

いつも以上に。

それでも僕は楽譜とにらめっこをし、

頑張ってトランペットの練習をした。

陰では「一年生のくせに生意気」とか

「はやくやめればいいのに」とか

全学年から言われた。

部活が嫌いになってきた。

学校に行くのがそろそろ

耐えられなくなってきた。

季節は巡り10月になった。

僕の生活は前と何も変わらない。

明日学校では三大行事の

文化祭が行われる

吹奏楽部は文化祭に発表をする

僕は明日のために全力で

部活に取り組んだ。

明日僕はあいつらの前で

カッコつけてやるんだ

僕は少しだけ自信を持った。


続く

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