地下の住人スイ 12話


第12話「単眼」


スイ「さすがに疲れた…休もう…」

イセマ「大賛成…」

ルオ「えー2人とも大量無さすぎなのだー!」

スイ「ルオが元気すぎるだけだよ…」

ルオ「むー…あっ…2人ともなんか声が聞こえるのだー」

スイ「声?」

ルオ「ほら誰か」

イセマ「なんも聞こえねぇぞ?」

ルオ「来るっ…!2人とも伏せて!!!!!」

スイ「えっ?こ、こう?」

すると女の子が私たちがいたところに飛んで来た。

女の子の髪はツインテールで毛先が針のように尖っていた。

恐らく私たちの首を狙ったらしいが

ルオの指示通り伏せたため後ろにあった木に髪は刺さり私たちには無事当たらなかった。

イセマ「あ、あっぶねー!」

?「ちっ…外したか」

女の子は自分の髪を伸ばしたり、

自由自在に使えるみたいだった。

そしてさっきは早すぎて見えなかった女の子の顔が見えた。

そしてその女の子の目は





スイ「単眼っ…!?」

単眼だった。

ルオ「面白い…」

ルオはニヤッとした。

?「お手並み拝見…です」

するとルオと女の子は戦い始めた。

女の子が一方的に攻めてる感じで

ルオはまったく攻撃ができなかった。

ルオ「くそっ…!」

?「この程度ですか?」

女の子は余裕そうな顔を見せた。

私とイセマは2人を見ることしかできなかった。イセマに至っては状況整理ができていなかった。

ルオ「っ!!!」

ルオの果物ナイフは弾け飛び、ルオの武器は無くなってしまった。

?「弱い、弱い、弱すぎまる。

そんなのでエスラ様の血を

貰おうとするなんて笑わせるな…

今日は殺さないでやる感謝しろ。」

ルオ「はぁ…はぁ…」

エスラの血は薬の材料だ。

スイ(何故この子が材料を集めているのを知っているんだ…?)



?「そこのバンダナ。聞きたいことがあるみたいだからひとつだけなら答えてやる」

スイ「あ、えっと、なんで材料のこと知ってるの?」

?「私はなんでも知っているからだ。なんでもな。」

スイ「なんでも…」

?「私は他に仕事がある。じゃあな、バンダナ」

スイ「あ、待って名前は!?」

?「質問はひとつしか受け付けない」

そう言うと

女の子は髪の毛で包まれ消えた。

イセマ「消えた!?」

スイ「…なんだったんだ」

ルオ「あはは…あの子めちゃくちゃ強かったのだー…」

スイ「あとめちゃくちゃかわいかったよね!!」

イセマ「かわいくはないだろ…単眼って…」

スイ「えーかわいいよ?

あ、ルオ怪我してない?大丈夫?」

ルオ「ちょっとしたかすり傷だけ

だから大丈夫なのだー!」

スイ「かすり傷?んならいいか…」

ルオ「誰かが言ってたけど、

死ぬ以外はかすり傷なのだー」

スイ「なにそれ、それはありえない!

骨が折れたりしたら

かすり傷じゃないよ!?」

ルオ「そうかなー?僕にとってはかすり傷なのだー」

イセマ「もうなんか色々整理ができてないよ…なんなんだあれ?あの髪の毛」

イセマは怖がっているようだった。

イセマ「あんなのくらったらなんて考えると俺…!!」



スイ「…大丈夫だよ!私たちはまだまだ強くなる!私たちにはあの敵は早すぎただけだよ!」

ルオ「そうなのだー僕は次に会う時はめちゃくちゃ強くなって倒したい」



イセマ「…うん」

そう、私たちには

あの敵は早すぎたんだ。

倒せなくて当然だ。

何もできなかったのも当然…だよね。

そうだよ。

ルオは私たちより2倍くらい強いから

戦えたんだよ。

だから何もできなくて当然だよ。

イセマ「スイ!スイ!」

スイ「えっ?」

イセマ「何立ち止まってるの?早く行こう?」

スイ「え…あぁうん!」

イセマ「?」

そうして私たちは

ケキラの森を目指して

また歩き出した。


続く

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