地下の住人スイ 10話


第10話「待っていて」


リイ「スイ起きて!スイ!」

スイ「…うぅ」

リイ「もうみんな来てるよ!」

スイ「みんなって?」

リイ「イセマくんたち来てるよ!?」

スイ「…なんで?」

リイ「今日旅に出るんでしょ!?」

スイ「…あっ!!!!!」

私は急いで着替え、玄関に向かった。

イセマ「スイ遅いよー…」

スイ「ごめん、ごめん。」

トキ「スイちゃんは相変わらずだね〜」

ラプマ「びっくりですよ…」

スイ「トキ姉⁉︎と、ラプマさん⁉︎」

トキ「やっほー」

ラプマ「僕たち見送りに来たんだ。」

トキ「あ、あとこれ!」

スイ「これは?」

トキ「地図だよ!あと裏には集めてくる材料のメモしてあるよー!書いてある順番に集めるのが1番効率いいよ」

スイ「わかった!ありがとう!」

ラプマ「まぁそれ作ったの僕なんですけどね…(小声)」

イセマ「じゃ、行こっか。」

そして私たちは地下の門へ行った。

トキ「はへー!地下の門って扉みたいなんだね!」

ラプマ「どっからどう見ても扉ですよね…」

フレイ「なんだとぉ!?だれだ!?僕の門をバカにするやつは!って本当にだれ⁉︎」

スイ「フレイさん昨日ぶり〜」

イセマ・ルオ・リイ「昨日ぶり〜」

フレイ「リイちゃん!と、なんだお前ら、 もしかして今日行くのか?」

スイ「当たり前」

フレイ「まったく…んで、そちらさんは?」

トキ「トキでーす」

ラプマ「ラプマです」

フレイ「と、トキってあのトキ⁉︎」

スイ「なんだ知ってるの?」

フレイ「当たり前だろ!めちゃくちゃ有名だろ!!!!!」

スイ「そんな怒らなくても」

フレイ「ふはぁぁ〜!さ、サインください!」

トキ「いいですよ〜」

イセマ「門番さんめっちゃ喜んでるね」

スイ「ねっ」

ルオ「早くあけてほしいのだー」

フレイ「これは家宝にするぞ…よし!おまえら通れー!この前のとこまで一緒に行くぞ!」

そう言うと門を開けてくれた。

そしてみんなで前いったとこまで行った。

ラプマ「こんなとこがあるなんて…」

トキ「なんか私も行くみたいでちょっとわくわくするよ〜!」

リイ「すごい…」

ラプマ「トキさんは行っちゃだめですからね」

フレイ「僕とリイちゃんとトキさんとラプマさんはここでお別れだよ。あとは3人でここから先に進みな」

トキ「少し寂しくなるね」

ラプマ「改めて考えてみるとそんなすぐには会えないですもんね…」

少し気まずい空気になった

リイ「スイ」

リイは私にハグをした。

リイ「待ってるからね。」

スイ「うん。少しだけ待ってて。」

私はハグをやめ、リイの頭を撫でた。

イセマ「じゃ、そろそろ行くか!」

スイ・ルオ「うん!」

そして私たちは踏み出した。

3人で歩いた。リイたちには見えなくなるまで手を振った。リイたちも見えなくなるまで手を振ってくれた。

スイ「あーなんかはやく地上に行きてえ」

ルオ・イセマ「わかる」

イセマ「そういえば、スイアクアソード慣れた?」

スイ「全然触ってないよ〜」

イセマ「練習は?」

スイ「私がするわけない」

イセマ「そんなんで大丈夫かよ…」

ルオ「そんなことより、スイちゃん、イセマくん。」

スイ・イセマ「ん?」

ルオ「あれモンスターなのかー?」

私たちの10m先に私たちより大きなモンスターがいた。

スイ・イセマ「な、な、な、なんじゃあれ!?」

ルオ「モンスターなのだー」

イセマ「いや、それはわかってるけどあの大きさはじめの方に出てくるキャラじゃないでしょ!?てかどうすんの!?あれ勝てないよね!?」

スイ「お、落ち着けイセマ…あっちは私たちに気づいてない…こっそり行けば通り越せる…!!!!!」

イセマ「な、なるほど…とりあえず息をひそめるぞ…」

ルオ「2人ともなぜ戦わないのだー?」

スイ・イセマ「あんなのに勝てるわけないだろ!!!!!」

ルオ「むーっ!僕1人で戦うのだー!」

ルオはどでかいモンスターの元へ走り出した。

スイ・イセマ「ルオ!!!!!」


続く





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2話↓

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9話↓

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リイの話 1

私は地下に住んでいてひっそりとお母さん、お父さん、お兄ちゃんと暮らしてる

あまり裕福な家庭ではない。

お兄ちゃんと私は毎日仕事に行く。

それでも1時間働いて手に入るのが100円それでも私は幸せだった。お金がなくても幸せだった。そんなある日ポストの中には子供を売らないかと紙が入っていた。

貧乏な家に入れられる紙だ。

私はその紙を見てその場で破り捨てた

その夜私は寝付けなくて喉が渇き冷蔵庫のある部屋へ行こうとした。部屋に行く途中お母さんとお父さんの声が聞こえてきた。


お母さん「あなた、もうお金がないわ…。」

お父さん「やっぱり2人目なんかいらなかったんだよ。」

お母さん「そんなこと言わないでよ…あの子はあの子なりに私たちのために働いてくれてたのよ?」

お父さん「1時間たったの100円じゃないか!!!!!」

お母さん「それは…仕方ないでしょ…」

お父さん「リイを捨てよう」

お母さん「えっ?」

お父さん「マリーヌさんのところにリイを売ろう」

お母さん「な、なに言ってるの!?」

お父さん「あいつは働くより売るほうがいいんだ。お金は多く入るし、あいつが今の仕事をしなくてもいい。いい考えだろう?」

お母さん「…」

私はその場から離れた。喉は乾いたままだったけど、私はベッドに戻った。

そうか、私は捨てられちゃうのか。

もうこの家にはいられないのか。

私はその夜涙がとまらなかった。

次の日私が仕事を終え帰ると

お母さんと黒に覆われた女の人がはなしていた。

女の人「これで契約完了です。旦那様にもお伝えください。」

お母さん「リイをよろしくお願いします。」


リイ「お母さん?」

お母さん「リイ!?」

リイ「ただいま、その人だあれ?」

お母さん「…リイこの方の家でお手伝いしてきてくれる?お母さんじゃできないみたいなの。」

お母さんは嘘をつくと顔にでるから

すぐに私は嘘だってわかった。

リイ「うん!わかった!」

私は笑顔で返事をした。

それから私は女の人についていった。

すごくすごく長い道を歩いた。


リイ「お手伝いってなんですか?」

女の人「本当は気づいてるんでしょ?」

リイ「…なにがですか?」

女の人「あなたは周りから見れば、実の親に捨てられたかわいそうな子」

リイ「ちがう。」


女の人「あなたは今日から、私の娘よ私のことはママって呼ぶのよ」

リイ「…」

私はなにも言えなかった。

ただ涙をこらえながら歩いた。

それからなにも会話せず、ひたすら歩いた。階段をのぼった。

女の人「ついたよ。」

リイ「…」

私の家より大きい家についた。

玄関には青髪のオッドアイの女の子が座っていた。

女の人「ただいま、スイ。」


スイ「おかえりママ。」

女の子は笑顔で女の人のことをママと呼んだ。



続く。

地下の住人スイ 9話


私たちはリイに門番さんが

どこにいるかを聞いて、会いに行くことにした。


第9話「たびのしたく」


フレイ「なんだお前ら久しぶりだな

みんなちょっと変わったな」

イセマ「なんで地下が嫌いな門番さんが地下の門番なんかに⁉︎」

スイ「てか地下に門なんてあったの⁉︎」

ルオ「まだ生きてたのかー」

フレイ「ちょ、1人ずつ話せよ…てか最後ひどくね…あと地下の門は誰かの力で隠してあるんだよ」

スイ「隠すってどうやって?」

フレイ「なんか誰かが透明のマントを城に持ってきたらしいぞー。んでこっそり門を作ってこっそり門番つけさせたんだと。」

イセマ「透明のマントってそれ俺のじゃ…」

スイ「まぁいいじゃん?」

ルオ「門はどこなのだー?」

フレイ「フッフッフッ、これだー!」

門番さんがマントを取るとちいさな扉が現れた。

スイ「これ…門じゃなくて扉じゃん…」

フレイ「まぁ地下から外に出られるなら形はどうでもいいって言われたみたいだ!ちゃんと外には出られるんだぞー」

そう言うと門番さんは扉を開けた

スイ「うわぁ…これは…」

扉の先は小さい頃みた地上とは違う景色だった。

ルオ「土の中なのだー」

イセマ「なんか外に出たって感じしないなぁ」

それからちょっと歩いた。

フレイ「じゃ、今日はここまで。これ以上はモンスターが出て危険だ。ところで君たちいつから冒険出るんだ?」

スイ「うーん、明日?」

イセマ「えぇ明日⁉︎」

ルオ「え、今からじゃないの?」

スイ・イセマ「えっ」

フレイ「そこちゃんと話してなかったのかよ…」

スイ「じゃあ、明日また来て、結果言うねー!」

そう門番さんに言い残し私たちは

その場から立ち去った。

イセマ「いつにするー?」

スイ「リイにもちゃんと相談しないとねー」

イセマ「あっ」

スイ「ん?」

ルオ「あ、ごめんなさいなのだー

今すぐ片付けるのだー」


私の足元にはよく死体が転がっている。


スイ「はやく地下のみんなを助けなきゃ…」


そして私たちはリイの元へ帰った

スイ「リイ、明日行こうと思うんだ」

リイ「明日!?」

スイ「うん、早く助けなきゃ」

リイ「わかった。2人も納得したの?」

ルオ「全然大丈夫なのだー」

イセマ「俺は…」

リイ「なに?」

イセマ「えっと…その…」

ルオ「はっきり言うのだー」

イセマ「その…スイの作品もっと地上で買いたかったな…って」

スイ「じゃあ、旅をしながら私が

作ればいいじゃん。で、地上についたらイセマに売ればいい」

イセマ「そんなの…いいの?」

スイ「もちろん!」

イセマ「やったぁ!じゃあ明日に決まりぃ!」

ルオ「本当に好きって感じなのだー」

スイ「ちょっと照れるよね〜」

イセマ「ってことで明日の昼に出発だ!!」

ルオ「なんで昼なのかー?」

イセマ「だってスイ起きれないだろ。

だから昼に出発なんだよー」

スイ「うぐっ…」

リイ「遊び感覚で行っちゃダメなんだからね」

スイ・イセマ・ルオ「はーい」ルオ「なのだー」


イセマとルオはそれぞれ家へ帰った。


そして夜、私の部屋のドアをリイがノックした。

リイ「スイ、起きてる?」

スイ「うん」

リイ「入ってもいい?」

スイ「どーぞ」

リイ「一緒に寝ていい?」

スイ「うん」

リイ「スイと寝るの久しぶりだね」

スイ「うん」

リイ「さっきからうんばっかり、

他になんか話してよー」

スイ「別に話すことないし…」

リイ「なんでそこで嘘つくのよ…」

スイ「本当にないもん。眠いし…」

リイ「えぇーじゃあ私が話すー

スイさぁホームシックになって帰ってこないでね?」

スイ「ならないよ」

リイ「あとちゃんとごはんたべてね!」

スイ「わかってるって」

リイ「あと…あと…」

スイ「…」

リイ「絶対生きて帰ってきてね…」

スイ「…当たり前」

リイ「…」

スイ「あっ、話すことあった。」

リイ「なに?」

スイ「リイが拾ったペンダントさ、あれ私が小さい頃に作ったやつなんだよね。初めて空を見た日にね」

リイ「ま、まじか!」

スイ「だから寂しくなったらさ、ペンダントみて私のこと思い出してよ」

リイ「スイ…」

スイ「じゃ、おやすみ、リイ」

リイ「うん、おやすみ、スイ。」


続く


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