地下の住人スイ 7話


7話「お姫様」


イセマ「流れ星どこまで行けば見えるかなぁ。」

スイ「イセマ上ばっかり見て歩いてたら危ないよ。一応門外はモンスター出るんだから」

イセマ「ごめんごめん、ところで、門番さんなんでついてきてんの?」

フレイ「な、僕は君たちが心配だからだろ」

ルオ「門番さんも流れ星見たいのかー?」

スイ・イセマ「なるほど〜」

フレイ「ちがうちがう。僕は君たちの万が一のためになぁ…」

スイ「まぁいいや、行こっ」

フレイ(これだから子供は苦手だ…)

イセマ「なんか門番さんって俺のイメージしてたのと全然違う。なんかもっと強そうな人が門番してるのかと思った。」

フレイ「なっ失礼だな!!!!!」

スイ「門番さんって武器とか持ってないの?」

フレイ「ぶ、武器⁉︎」

ルオ「持ってないのかー?」

フレイ「僕はそんなものなくても強いから大丈夫なんだよ!」

スイ「なんか弱そうだね。こんなのが私たちの国の門番なのか」

フレイ「さっきからひどいな…」

スイ「私たちのこと汚いって思ったくせに」

フレイ「それは悪かったって!」

ルオ「門番さんは何歳なのだー?」

フレイ「聞いて驚くなよ?72歳だ!」

スイ「嘘つくならもっと大きい数言いなよ」

フレイ「う、嘘じゃないし!前世を含めたら僕は72歳なんだよ!」

スイ「門番さん前世の記憶あるの?」

フレイ「まあなーそのおかげ門番になれたもんだし」

スイ「じゃあ弱いんじゃん」

フレイ「う、うるさい!」

ルオ「じゃあ流れ星を見たのも前世の記憶なのかー?」

フレイ「あぁ、だからこの体では見たことない」

スイ・イセマ・ルオ「ふーん…」

フレイ「残念そうな顔で見るナァァ!」

イセマ「今は何歳なの?」

フレイ「15歳…」

スイ・イセマ・ルオ「えぇぇぇ⁉︎」

イセマ「俺たちとあんま変わらないじゃん」

フレイ「今何歳なんだよ?」

スイ「10」イセマ「14」ルオ「12」

フレイ「一番下のやつとはだいぶ変わるだろ…」

イセマ「スイは他の10歳とは違ってちょっと大人びてるんだよ」

スイ「えっへん」

フレイ「大人びてるやつがえっへんとか言わないだろ。」

スイ「ところで門番さん…」

フレイ「ん?なんだ?」

スイ「ここどこ?」

フレイ「えっあれ⁉︎」(しまった…!思ったより遠い場所まで来てしまった…!)

イセマ「どこまで行けば流れ星見れる?」

フレイ「そ、そのうち見えるよ!」

ルオ「そのうちってどのぐらい?」

フレイ「えっ…あ…」

イセマ「俺たちもしかして迷子?」

霧が多くて見えなかったが

気づいたら私たちは迷子になり

モンスターに囲まれていた

スイ「これってまずいんじゃ…」

フレイ「くそっ…‼︎」

モンスターは6体いた。

フレイ「3人とも僕の後ろにいて」

すると門番さんは手を口に持っていき

ピイィィっと指笛を吹いた。

するとモンスターたちは混乱し

バタバタと次々倒れて行った。

スイ・イセマ・ルオ「おぉぉ」

フレイ「ちょっとは見直した?」

スイ「ほんのちょっとだけね」

?「さすがフレイさんすごいのん」

フレイ「アズハちゃん!」

スイ・イセマ「だれ?」

フレイ「隣の国のお姫様だよ!」

スイ「お姫様かぁ…」

フレイ「こんな時間に1人じゃ危ないよ?」

アズハ「アズハはここらへんのモンスターさんぐらい倒せるのん、それに危ないのはあなたたちじゃないのん?迷子なのでしょん?」

フレイ「ま、まぁ…それは…」

アズハ「門まで送ってあげるのん。

さっ、帰るのん」

スイ「待って」

アズハ「どうしたのん?」

イセマ「俺たち流れ星を見にきたんだ」

アズハ「流れ星?残念だけど今日は見えないのん」

ルオ「そーなのかー」

アズハ「まぁ次会えた時に見える日を

教えてあげるのん。今日は帰るのん。」

フレイ「見えるって…可能性とかはないの?」

アズハ「可能性は0なのん、今日はくもりなのん。もうすぐ雨が降るから早く帰るのん」

そうして私たちは無理矢理帰らされた

スイ「あのっ…お姫様は天気とかわかるの?」

アズハ「アズハでいいのん。私の天気予報は高い確率で当たるのん」

そうアズハ姫が言うと雨が降りだした

イセマ「ほんとだ…」

ルオ「すごいのだー」

アズハ「えへへっありがとなのん。ところであなたたちの名前は?」

スイ「スイ!」イセマ「イセマ!」

ルオ「ルオなのだー」

アズハ「仲良し3人組って感じなのん。

羨ましいのん。」

イセマ「まぁ地下の子供はみんな仲良いからねー」

アズハ「地下の子供?あなたたち地下に住んでるのん?」

スイ「まぁねー」

アズハ「へぇー…家見てみたいのん

案内してほしいのん」

ルオ「お姫様みたいなのが来るようなとこじゃないのだー」

スイ「そうそう。暗くて汚いよ?」

アズハ「いいから案内してよ!」

スイ「あっ」

アズハ「どうしたのん?」

私は階段代がないから帰れないのを思い出した。マントは3人しか入れない。

私はコソッとイセマに伝えた。

イセマ「…あ、あのぉおアズハ姫また

別の日ではダメかな?」

アズハ「階段代」

イセマ「え?」

アズハ「私、耳がいいのん。階段代は私が全員分払うから大丈夫なのん」

イセマ「あ、あ、ありがとうございます!!!!!」

スイ「ありがとうございます!!!!!」

ルオ「ありがとうなのだー」

そして私たちの中で一番綺麗な家イセマの家を案内することになった。


続く




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地下の住人スイ 6話


第6話「流れ星を見に行こう」



スイ「家出してきた。」

イセマ「なにしてんの⁉︎」

スイ「だから家出」

イセマ「あ…そうだね…」

ルオ「僕も家出してきたのだー」

スイ・イセマ「ルオ!?」

ルオ「こんばんはースイちゃん、イセマくん」

スイ「はい、こんばんは」

イセマ「こんばんはー」

ルオ「みんなで流れ星見に行かないかー?」

スイ・イセマ「流れ星?」

ルオ「2人とも知らないのかー」

スイ「星が流れるの?」

ルオ「そうそう、星が流れるのー

流れてる間に願い事を言うと願いが叶うらしいのー」

イセマ「願いかぁ…」

スイ「すっげえー」

ルオ「見に行かないかー?」

スイ「でも、星って地上でしか見れないだろ?私らには地上に行けるような金がないよ」

ルオ「僕に良い考えがあるのだー」

イセマ「良い考え?」

ルオ「こっそり行けば階段代なんて払わなくても大丈夫だー!」

スイ「いやいや、ルオなめちゃダメだよ

バレるに決まってるでしょ」

ルオ「スイちゃんやる前から諦めちゃダメなのだー」

イセマ「本当お前はおかしなやつだな」

ルオ「イセマくんには言われたくないのだー」

イセマ「なんだとぉ?」

スイ「あはは、私ら3人はみんなおかしなやつだよ。」

イセマ「ふふ…そうだな!」

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ルオ「あの人寝てるのかー」

スイ「え、まじか!?」

イセマ「俺ら本当に行けるんじゃね⁉︎」

私たちはイセマの魔法のマントを3人で被り姿を消して階段を登っている

スイ「イセマのパパのマントはやっぱ本物だね!」

イセマ「当たり前だろ!俺の父ちゃんは

すごい魔法使いなんだぜ!」

そうして私たちは地下1まで階段代を払わずに登って行けた。

イセマ「あと少しで地上…!」

スイ「し、深呼吸してから行こ!なんか緊張して来た」

ルオ「そうだなー」

スイ・イセマ・ルオ「スゥ〜ハー」

深呼吸してから私たちは慎重に

階段を登り始めた。

ドカッと途中で誰かにぶつかり

マントは脱げてしまった。

スイ・イセマ・ルオ「うわぁぁぁ」

「ひ、人がいきなり現れた!?」

ぶつかった人は驚きすぎて気絶してしまった。そのおかげで私たちは無事地上に行けた。

イセマ「ここが地上…かぁ」

スイ「なぁルオ流れ星ってどこらへんで見れるの?」

ルオ「それはわからないのだー」

スイ・イセマ「えっ⁉︎」

ルオ「だから地上の人間に聞くのだ!」

そして私たちは地上の人たちに聞きに回った。が、誰も知らなかった。そんなものあるわけがないとバカにするやつもいた。

イセマ「本当に流れ星なんてあるのかなぁ?」

スイ「あるに決まってるでしょ!ルオのことを私たちが信じなきゃ!!!!!」

ルオ「2人とも無理に信じなくていいのだー、僕1人で探してくるから…」

スイ「…ごめんルオ」

イセマ「ごめんなルオ」

ルオ「…大丈夫なのだ」

スイ「あ、さっき聞いた人が言ってた

物知りの門番のフレイさんに聞いてみようよ!」

イセマ「そ、そうだね!行こう!」

ルオは無言で門の方へ歩き出した。

私はイセマと目を合わせ気まずい顔をした。

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フレイ「君たちどうしたんだい?君たちのような若い子がここに来るなんて珍しいね」

ルオ「流れ星ってどこで見られるか知ってないかー?」

フレイ「流れ星…君たち流れ星を見に行きたいのか?」

スイ「うん!願い事が叶うんだって!」

フレイ「…あぁ、知ってるよ。僕は一度見たことあるからね」

ルオ「すごいのだー!!!!!」

フレイ「とても綺麗だったよ」

イセマ「どこで見れるの?」

フレイ「門の外だよ。」

スイ・イセマ「えっ」

ルオ「やっぱり父さんが言ってた通りなのだ…」

スイ「私たち門の外に出ちゃダメですか? 」

フレイ「もし出たとしても流れ星はそんな簡単に見られるものではないぞ」

ルオ「それでもいいのだー!僕たちは流れ星を見るためここまで来たのだー!」

フレイ「もしかして、お前ら地下の住人か?」

スイ「そうだけど…」

フレイ(どうりで汚いわけだ)

イセマ「今どうりで汚いわけだっと思った?」

フレイ「なっ⁉︎そ、そんなわけないだろ」

イセマ「俺たち言われ慣れてるからわかるんだよ、門番さんどいて。行こっスイ、ルオ。」

フレイ「ちょっと!子供だけじゃ危ないって!!」

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続く


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地下の住人スイ 5話

地下の住人スイ




第5話「大事だから」



リイ「スイ!起きて!」

スイ「私もっと寝る…」

リイ「もう昼だよ!!!!!」

スイ「じゃあ、夕方まで寝る…」

リイ「もうっ!イセマくんたち来てるよ?」

スイ「えっ⁉︎」

私はとっさに起きた

リイ「えへへー嘘だよ」

スイ「なんだよ、今ので目が覚めたじゃん」

リイ「いーじゃん」

スイ「よくないよー…」

「コンコン」

誰かが扉をノックする音が聞こえた。

リイ「はーい」

リイは返事をし扉へ向かった。

スイ「まったく…もう一回寝よ…」

リイ「スイー!!」

扉の向こうからリイが大きな声で

私を呼んだ。

スイ「…なに?」

私は仕方なく布団から出て

リイがいる部屋に行った。

リイ「イセマくんたちほんとに来た!!」

スイ「もうそうゆう嘘いいから私寝るよ?」

リイ「嘘じゃないよ!」

ルオ「オオカミ少年的なやつかー?」

イセマ「かもね〜」

スイ「えっ」

私は振り返り扉の方を見た

スイ「イセマとルオ!?」

ルオ「こんにちはなのだー」

スイ「はい、こんにちは何しに来たの?」

イセマ「ラプマさんたちが今日の朝に地下3に来てルオに会いに来たんだ」

ルオ「本当はスイちゃんに会いに家に行ったんだけど寝てたみたいで誰も出なかったらしいのー」

リイ・スイ「あ…」

スイ「リイ起きてなかったのかよ⁉︎」

リイ「今日は二度寝しちゃったの!」

ルオ「まぁそれで代わり僕が話を聞いたのだー」

スイ「なんて言ってた?」

ルオ「昨日調べて分かったのは薬に必要な材料が門の外にあると言うことだって言ってたのだー」

スイ「門ってあの門⁉︎」

私たちが言う門とは地上にある門のことだモンスターや盗賊が出るから中々門の外には誰も出ないのだ。

ルオ「地上で材料を探して見たけど

見つからなかったらしいのだー」

リイ「その材料ってもしかして…」

イセマ「取りに行け…ってことらしい」

リイ「えぇぇ…そんなの無理だよ…

私とスイはまだ14歳なんだよ⁉︎」

スイ「私が行くからリイは待ってて」

リイ「嫌!行かないで!私1人じゃ死んじゃうよ!!!!!」

スイ「私の夢のひとつは地下のみんなを

助けることなの。だから私は小さいことでも助けになりたい。だから私は行く」

リイ「嫌だ」

スイ「ならリイも来ればいいじゃん」

リイ「それも嫌だ!!!!!地上になんか行きたくない!!!!!」

スイ「すぐ戻ってくるから」

イセマ「…」

イセマは目線を私たちがいない方向へ向けた」

スイ「イセマどうしたの?」

イセマ「え!?あ、いやなんでもないよ!」

ルオ「言いたいことがあるなら

正直に言わないとダメなのだー」

イセマ「いや…でも…」

ルオ「なら代わりに僕が言うのだ。

すぐに戻ってはこれない」

イセマ「おいルオ…!」

ルオ「イセマくんが言いたかったかことを言っただけなのだー」

リイ「いくらぐらいかかるの?」

イセマ「…最低一年」

リイ「なにそれ⁉︎なんでそんなにかかるのさ!?」

イセマ「それほど手に入れるのが難しいってことだよ…」

ルオ「ちなみに手に入れようとした者は誰1人行きて帰っては来なかった」

イセマ「いちいち余計なことを…!!!!!」

ルオ「イセマくんは人を傷つけるのを恐れすぎなのだー僕みたいに正直者になれよ」

イセマ「……」

リイ「私認めないから、認めないんだから!!!!!」

スイ「リイ!!!!!」

リイは家から飛び出した

イセマ「スイ、俺はスイが行くなら材料を取りに行くつもりだ。」

スイ「イセマ…」

イセマ「頼りないけど俺は魔法使えるんだぜ!モンスターなんて倒してやる!」

ルオ「僕も2人が行くならついて行くよ

2人より力はあるからねー」

スイ「ルオ…」

2人は私について行くと違ってくれた。

スイ「私はなんとしてでも材料を取りに行く…たとえリイが反対しようとも」

そう2人に言って私はリイを追いかけるように家から出て行った。

私はふと小さい頃の記憶を思い出した

あの時のことを…



続く



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